※はてな移行後、完全に構成が崩れてしまい、現在、修正作業中です。

◇◇ Mt.Olympus ◇◇解説

【 マウント オリンパス / Mt.Olympus
 

【解説】
ロケーション、コース、クラブハウス、ロープトゥー・・・どれを取ってもクラブフィールドらしい、ベストオブ・クラブフィールドと呼ぶに相応しいスキー場、それがMt.オリンパスである。ヘリスキーのコースと呼んでも謙遜の無いアルピニズムに満ちたロケーションは、他のあらゆるスキー場と比較しても別格である。この風景を見るだけでも、オリンパスを訪れる価値があるはずだ。
 
そんなオリンパスの名物は、アクセスの悪さであろう。このアクセスの悪さに関してもオリンパスは別格である。
正確には、危険を伴う・・・と表現すべきであろう。途中から始まるダート路は、スキー場まで、延々、30kmほど続く。この悪路が、ある意味、オリンパスの希少性を高めていると言える。だからこそ、滑った時の感動も、また、大きいのではないだろうか。
(※)オリンパスに負けないアクセスの悪さを誇るのがテンプルベイスンだが、危険は無い。
 
イメージ 5
Mtオリンパスのレイアウトは、切れ込んだV字型の谷の上部にボウル地形が乗っかっている感じである。
天気が良ければV字谷の正面にMtハットとカンタベリー平原の一部が見えるはずだ。
 
リフトは初心者用のロープトゥーを含めて4本。大抵の場合、ボウル地形にあるMain Faceを滑るため、Main TowとTop Towを乗り継ぐことになるだろう。
 
Main Towは登るに従い、こんな斜面でも登れるの?!というぐらいの急勾配となっている。正直、滑り下りるのにも気合を入れるような斜度だ。あまりの斜度に、到着直前で敢え無く脱落するスキーヤー、ボーダーも多い。
 
Main Towを登って斜面をトラバースし、両サイドの1枚バーンをAccess Towの乗り場へ向かって滑る1本は、降雪直後のパウダーであれば、道中の心労を忘れさせる1本となるだろう。私の時は、あいにく、重い湿雪で滑れたものではなかった・・・。
 
コースは下に行くほどV字谷が顕著となり、Access Tow乗り場付近は片斜面中心となる。多くのスキーヤーが片斜面を嫌ってV字谷の底の1ラインに集中する。両サイドの1枚バーンを滑るのであれば、なるべくAccess Towの乗り場に向かって滑れる様、思い切ってトラバースした方が良いだろう。
(※)上でトラバースするか、下でトラバースするかの違いなのだが・・・
 
基本的に平日もオープンのようである。クローバルネット上田氏に確認して知った。
当時は土日のみオープンだと認識していた。そのため、積雪と休日と天候が、私のNZ渡航予定とピタリと合うまで、実に3シーズンを必要とした。もちろん、別の理由でクローズしていた可能性はあるのだが・・・。
当日は、3年越しの夢にもかかわらず、当日はあいにく雪質が悪く、とても快適なスキーとは言えなかった。

また、その日はクラブのイベントの日で、クラブ員スキーヤーでごったがえしており、雪面も荒れ放題だった。普段はそんなに客は多くないという。しかし、今思えば、重い湿雪を多くのスキーヤーが蹴散らしてくれたのは良かったのかもしれない。
 

イメージ 7

スキーロッジの外観は、金属に覆われており、やや、近代的であるが、中は木造りの、いかにも山小屋という雰囲気で、居心地は良い。もちろん宿泊は可能である。
 
私は確認しなかったが、ここの名物に露天風呂がある。お湯はぬるめで長時間入ることが可能だとか。ゲレンデを眺めながらの露天風呂は、さぞかし最高だろう。(※)HTK氏情報
 
さて、オリンパスの些細にして重要な問題点が、リフトパスの購入である。リフトパスはこのスキーロッジで買わなければならない。それにはロープトゥーでスキーロッジまで登って来る必要がある。もちろん、一番下のAccess Tow乗り場でナッツクラッカーは貸してない。
つまり、ナッツクラッカーを持参して、ある程度、ロープトゥーが乗れるスキーヤーでなければ、リフトパスは買えないし、滑れないということである。クラブフィールドの経験が全く無い場合、相当に困るはずだ。

恐らく、Access Tow乗り場には、リフトパスのチェックをするクラブ員が居るはずだから、面倒を見てくれるのでは?と思うが・・・
 
 
イメージ 2
オリンパスへは、クライストチャーチ方面からであれば、ダーフィールドから77号線に入り、Mtハット方面に向う。
この道は「Inland Scenic Route 72」と呼ばれる風光明媚なドライブルートでもある。
 
ラカイア河を渡る手前にWindwhistleという集落があり、そこの分岐点から、右手Lake Coleridge方面へ向かう。
この分岐点にはMtオリンパスの小さな表示に加え、目立つ看板が立っているのでそれを目印にすると良いだろう。
 
余談だが、このMtオリンパスの看板・・・実は移動式で、夏の間は別の所にある。今回、Googleストリートビューで看板を探したが見つからず、不思議に思っていろいろ調べた結果、移動式であることが判明した。私は冬の間しか行ってないので気が付かなかった。
 →移動式看板のある分岐点;Googleストリートビュー
 
コールリッジ湖に向かうColeridge Rd.をしばらく走り、左手にラカイア河が見える場所まで来ると、小さな黄色い道路標識が立っている。Mt.Olympusの表示があるので、それに従って右手に曲がる。そのためコールリッジ湖は見ることができない。右に曲がった先、直ぐにY字路があり、やはり小さな標識通りに右に進む。しばらく走ると、いよいよダート路の始まりである。
 
イメージ 3
途中で更にY字路があるが、黄色の看板のある左手・・・繁みの方へ進む。右手のゲートがスキー場のゲートのような感じもあって、なかり悩む個所である。
 
この看板は、れっきとしたオリンパスの看板なので、ここでオープンしてるか否か?を確認できる。
オリンパスの場合、道中が長いので、スキー場オープンの確認が取れないまま、早朝に宿を出なければならないはずだ。ここまで来てアウトの可能性もあるので要注意である。
 
そこからしばらく行くと小さな湖の脇を通過する。さらに、途中で一か所、橋を渡る。この付近は、ポーターズスキー場の裏手に見えている風景である。
 
この橋を渡ってからしばらく走ると、丘の上の見通しの悪いカーブの途中に、例の黄色の小さな道路標識があるので、そこを右に曲がる。
 
イメージ 4
しばらく平原のような場所を走ると、山道の手前左手に
「Playground of the Gods...」と書かれた、黄色いスキー場の看板が見えて来る。ここが一応、ゲートということになるだろう。良く見るとこれも移動式の看板である。
 
積雪などの道路条件もあるが、ここまで、ダーフィールドからだと約1時間半、クライストチャーチからだと2時間は見ておく必要があるだろう。
 
看板には「スノーチェーンと勇気を常に持て・・・」とある。
まるで陸軍の連隊標語のようである。冗談なのか本気なのか?日本人の感覚では、少々、理解し難いところではある。しかし、それも本気と思えるほどの悪路がこの先に待っている。この付近はスペースも十分にあるので、チェーンはこの看板の所で装着しておくべきだろう。
 
一旦、山道に入ると、基本、スキー場手前の待避所まで後戻りが出来ない。対向車が来ても、交わすことも出来ない。つまり、看板を過ぎてからスキー場までは、何があっても前進あるのみ・・・である。これがMt.オリンパスの恐るべき問題点である。
 
いよいよ難所に入るわけだが、途中で一カ所、台地のような所を通過する。正確には、そこがUターン可能な最後の場所である。その先、戻る方法はバックのみである。この道は雪解けでぬかるんでしまうと最悪らしい・・・。
 
イメージ 6
スキー場の手前、急な坂が始まる所に待機所がある。ここからは4WD車のみ通行可能となる。
事前に聞いた話によると、待避所の所に無線機が置いてあり、上のロッジとやり取りを行なって、車同士の交差を回避するようにしているらしい。私の時はクラブ員でごったがえしており、まったく関係なかった。
 
通行止めを食らった2WD車のスキーヤーは、4WD車に乗せてもらうことができる。このルールはクラブフィールド共通である。私の時は、米国から来た大学生のグループ(男2、女1)を乗せた。こんな短時間の交流も面白いものである。彼らの帰り道の事は気する必要は特に無い。
 
待機所からスキー場の駐車場までは、積雪にもよるが5~10分程度の運転となる。狭い上に急坂となっており、全く気が抜けない。駐車場に着いて、ようやくターンが可能となる。
とはいえ、この最後の登りはZ字状となっているので、角の折り返しの個所で、退避可能である。見通しは利くので、対向車がある時は、角の位置で待っている方が無難だろう。

スキー場に到着しても、自分だけ早めに帰る場合、これまた登りの対向車が来ればおしまいである。
早目に帰りたい時はどうするのか?もし、途中でスタックしたらどうなるのか?アイスバーンで車が登れなくなったらどうなるのか?当然、車両保険は降りない・・・。全てが運頼みである。
 
近隣の観光地は、正直、特に無い。「Inland Scenic Route 72」を走るのが何よりの楽しみではあるが、・・・しいて書くなら、ラカイア河を渡る必要はあるが、Mtハットのベースになってるメスベンの町が近い。ここには各国からスキーヤーが集まっているので、アクティビティも充実している。とはいえ、スキーの帰りに観光に行くゆとりは、正直、Mtオリンパスを滑る限り、起こらないはずだ(笑)
 
 
 

【Web】
 
Wikipedia English】 
 
【位置】↓クリックするとGoogle地図に移動します。
イメージ 1
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

【訪問履歴】
◆2008年8月17日(日) 17/Aug/2008(Sun)
 
Part1
帰国の前日、また前夜の大雪など、悪条件であったが、悪路を越え、3シーズン目の夢が実現した瞬間であった。
 
Part2 
雪質は悪かったが、そのロケーションに圧倒されっぱなしだった。場内での撮影枚数は133枚になった。
 
 
 
 
 

 
Schi Heil !!